おすシローの日記

ノベルゲームとかアドベンチャーゲームとか色々。

人狼×和ホラー×ADVゲームの融合『レイジングループ』

アドベンチャーゲームのシナリオに人狼要素を組み込んだゲーム『レイジングループ』。個人的に今までプレイしてきたテキストアドベンチャーゲームで1,2を争う最高傑作だと思います。

今回は、あらゆるサイトのレビューでも最高評価を受ける『レイジングループ』の魅力を未プレイの方向けに紹介していきます。

 

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左:(主人公)房石陽明、中:芹沢千枝実、右:回末李花子(公式サイトより)

【ざっくりあらすじ】

一人旅をしていた主人公・房石陽明(ふさいしはるあき)は真夜中の山道をツーリング中に事故してしまいバイクが故障してしまう。山中で出会った若い女性・千枝実に招かれて休水という集落にたどり着き、遭難の危機は免れる。翌日バイクを修理して去ろうとしたところ、濃霧が発生して出られなくなってしまう。その夜、陽明は獣の影に殺されてしまう。

気がつくと、陽明は再び山中で迷っていた。何故か前日の夜まで時間が戻っているようだ。再び集落へ向かい、またも濃霧が発生するが陽明は死の記憶を思い出し、その夜を生き延びた。夜が明けて、陽明が集落の住人達に尋ねると休水の言い伝えを教えてくれた。「『おおかみ』が復活した。『おおかみ』は神の使いで、休水の住人を殺して入れ替わっている。住人になりすました『おおかみ』を見つけ出し、くくらねばならない。」と……。

 

人狼?ホラー?アドベンチャー?ループ?】

舞台は、住人も数えるほどしかいない山奥の小さな集落。しかも特殊な風習や信仰のある不気味な雰囲気。地域に根付いた風習として人狼を溶け込ませている点がストーリーへの没入感を引き立てせています。

少し脱線しますが、いわゆるデスゲームもののパターンとして、学校や無人島に閉じ込められて少年少女が殺し合う、みたいなゲームや小説が溢れかえっています。(『ダンガンロンパ』や『極限脱出シリーズ』からアドベンチャーゲームにハマり始めたので大好きなジャンルなのですが……)
やはり似たようなコンセプトの物を読むと「はいはいこのパターンね」と先の展開を予想してしまい、一歩引いたところから物語を眺めてしまうようになります。

その点このゲームは、山奥の集落の風俗習慣としての人狼ゲームを物語に組み込み、オカルト要素や都市伝説な背景を持たせているため、デスゲーム物を読み飽きてしまった人でも、これまでにない新しい展開が楽しめるゲームだと思います。

また、人狼ゲームの要素もふんだんに盛り込まれており、騎士、占い師、霊媒師などの役職も名前を変えて登場します。人狼のルールを学ぶ機会にもなりますし、セオリーを知っていればさらに楽しめると思います。

あらすじにもある通り、この作品はループ物です。(公式サイトのあらすじにも書いてあるしネタバレには当たらないでしょう……。多分……。)作中では「死に戻り」と呼ばれていますが、このループが人狼ゲームでどのような展開をもたらすのか、そこにも注目です。

和ホラー、人狼、ループ……ここまで挙げた要素を非常に高いレベルで練り上げられたゲームがこの『レイジングループ』です。

あと、キャラデザは割と地味ではありますが、あまり派手過ぎると本編のおどろおどろしい雰囲気が台無しになってしまうのでむしろぱっと見で田舎者とわかりやすいデザインがしっくりきました。 そのかわり、物語を進めるとかなり個性的な面々だということがわかってくるのでそのギャップもまた面白さの一つだと思います。

【まとめ】

時間とお金に余裕があるなら今すぐプレイしていただきたいです。私は寝る間も惜しんでプレイしました。総プレイ時間は(私の場合は)およそ30時間ほどだったと思います。スマホアプリでも出ていますが、そちらは無料版で1つのエンディングまで読めるとのことなので、まずは試し読みしてみるのもいいかもしれません。